減塩も、味で判断がつかない美味しさ
高血圧や糖尿病ほか、成人病対策や健康のために不可欠といわれる減塩だが、大半の人は「薄味でまずい」というイメージをお持ちの人は多いのではないだろうか。
Image: jetaloneそんな味気なさを吹きとばす好感触の結果が、このほど発表されたという。
10月20日~22日に、宇都宮で開催された日本高血圧学会では、福岡女子大学大学院の早渕仁美氏が、減塩弁当のまずさを払拭すべく開発した「減塩弁当」について報告が行われた。
調査初日には、776人に、減塩弁当と通常の弁当を食べてもらい、どちらが減塩かの質問をした。正解者は62.1%(482人)だったが、このうちの51.0%は、減塩と自信ありと考えた末での正解だった。38.8%は、減塩と自信ありと答えるも誤解答だったそう。
また、味の好みの質問には、正解者の48.5%は減塩を、46.5%が通常をあげ、誤解答者では44.1%が減塩を、52.4%が通常をあげた。この評価から、「実食した人のほとんどは減塩弁当と対照弁当の判別ができなかった」と判断したのこと。
高血圧患者でなくとも買って食べたい味
2日目に提供された「和風松花堂減塩弁当」(526キロカロリー、食塩相当量2.15グラム)と、3日目の、福岡の郷土料理である「かしわ飯と筑前煮の減塩弁当」(641キロカロリー、食塩相当量1.82グラム)についても、1日目同様、合計1504人から、調査を行った。
その結果、70%が、美味しいという評価をし、このうち78%は、減塩ということに気が付かなかったそう。そして、この弁当を、高血圧の患者に勧めるかの問には、87.7%がYESと答え、市販されれば「ぜひ食べたい・または食べる」の回答も、84.3%にのぼったとのことだ。調査の詳細内容は以下の通り。
・塩分…69.1% ちょうどよい
・分量…74.1% ちょうどよい
・減塩と感じたかどうか…78.1% 気づかなかった
・味の好み…70.6% 美味しい (14.2% 大変美味しい、56.4% 美味しい)
・患者へ勧めるか…90% 勧める(41.0%ぜひ勧める、46.7%勧める)
・市販された場合に食べたいか…28.1% ぜひ食べたい、56.3%食べたい
秘密は’塩化カリウム’
減塩弁当の開発は、研究グループが、10数社の加工食品関連企業と連携し行ったとのこと。Nacl(塩化ナトリウム)の減塩率を30%以上にするため、代替えとしてKcl(塩化カリウム)を利用し、ポリグルタミン酸を添加した調味料や加工食品の開発を行うなど、実用化に向けた早急な取り組みを実践しているという。
今回の調査結果を
「減塩弁当に用いた新規減塩食品は、無理なく美味しい減塩を可能にすることが示唆された」
と受け止めており、実用面でも、ナチュラルローソンが、減塩おにぎり(具材減塩率3~7割)の販売にも乗りだすもようだ。
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