運命はお父さん次第…
自分の健康のリスクや、体型までもが、産まれる前から、父親の食習慣に影響されている、と聞いたらどう感じるだろうか。
Image: Joe Madonnaごく最近の研究で、父親の食習慣により、子供の代謝機能に変化が起こることが発見されたそうだ。しかも、その変化により、子供は、父親が保持していない代謝状態に陥ることも確認されたとのこと。
今回の実験は、マサチューセッツ医科大学(UMMS;University of Massachusetts Medical School)のオリバー・ランド医学博士らと、研究者により実施された。
オスのネズミを使い、低タンパク質の食事を与えられるグループと、通常の食事のグループにわけた実験の結果、低タンパク質の食事を与えられたグループには、脂肪とコレステロールが増えたとのことだ。
環境要因は世代を超える
代謝機能の変化が後天的であることの証明については、以前からさまざまな動物実験により行われている。人間では、スウェーデンで行われた研究で、祖母のとぼしい食生活が、次の世代で、糖尿病や肥満、心臓疾患にかかるリスクをあげるという発表があったそう。
ただ、それらの結果は、社会的環境の影響からではない、と断言できなかった。
今回発見された、変化についてのメカニズムはまだ解明されていないが、何らかの栄養信号が、父親の精子に送られ、早い段階で胎児の成育に影響を及ぼしている、と考えられるそう。そして、この結果には、社会的環境の影響は含まれない、ということだ。
また、環境要因が世代を通じ、遺伝子のレベルで引き継がれるという理論を、より積極的に支持できる結果にもなったようだ。
編集部 松田鞠
ニュース・スコッツマンイーマックスヘルスマサチューセッツ医科大学