「放射線」と「放射性物質」を混同しない
米カーネギーメロン大学の苫米地英人(とまべちひでと)博士が、福島第一原発での放射能漏れ事故による放射能汚染について、’マスコミが国民に対し、最悪の状況になっても、退避圏外は安全だという報道しないことに苦言を呈している。また、関東とそれより西に住む住民は、まったく心配ないという、なんとも心強い見解を述べている。
少し難しく感じるかもしれないが、多くの人が混乱しやすい部分も、わかりやすく説明している。さまざまな考えや意見を知り、各自で判断することが必要な時期だと思う。頑張って読んでみてほしい。
1、「放射線」
原発の事故現場で、作業員が浴び続けている。また、マスコミが、よく例にあげるCTスキャンで、一時的にあびるもの。
↓
距離の2乘に反比例して減衰するため、放射能漏れ現場から、遠くなればなるほど、安全性が増す。
また、現在、現場以外で、一般市民の健康に対して、影響が心配といわれたり、数値を計測し、発表されている多くはこのこと。
2、「放射性物質」
「放射性同位体」―放射性物質から放出される、ヨウ素131やセシウム137、セシウム134などと呼ばれるもの。原発内部の核分裂により作られる。
↓
上の3つの放射性同位体の中でも、いちばん懸念されるのが、ヨウ素131のベータ線による健康被害だ。放射性物質は、崩壊する間、ベータ線をだしながら、安定した物質に変わる(崩壊は、一定の時間しか続かない)。崩壊が半分進んだ状態を、半減期という。また、ベータ線は、皮膚を通過する。呼吸で吸い込むことで、内部被曝(ひばく)となる。
マスコミやニュースで混乱させられる理由
メディアの情報だと、浮遊している放射性物質が、いちど体に着くと、放射性物質からでた高濃度の放射線をあび続け…といった印象を受けがちのようで、いっきに恐怖感が上昇してくる。この恐怖感を持ってしまうのは、退避圏外にいるもかかわらず、さも、事故現場の自衛隊と同様、放射線を被ばくし続けてしまうような勘違いをさせられているためだそう。
だが、実際に放射線をあびるのは、チリが衣服や体についている間だけで、個々の放射線量は微々たる量であり、さらに、服と服との間のわずかな距離だが2乗分半減してゆき、、、と、理屈がわかれば、ただ感覚的に恐れていただけだと。この恐怖を現実にするためには、屋外に、素っ裸で月単位、年単位で居続けることになるため、非現実的だという。
「吸い込んでも被曝はしない」これだけの理由
放射性物質は、チリに付着し、浮遊(ふゆう:飛んでくる)してくるが、常に風下の向きでないと、飛んでくることはまず難しい。また、放射性物質が、計算上は、距離の3乗に反比例して薄まるため、例えば事故現場から50キロ浮遊した場合、理論的には、健康問題になるほどの濃度になり得ないそうだ。
また、半減期(ヨウ素131の半減期は約8日)を考えるとき、ベータ線量は、半減期の1倍、2倍、4倍、8倍、10倍の時間経過とともに、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/1024と減少する。このため、浮遊に何日、何十日とかかった末に、東京に到着の頃には、ほとんどが半減期を過ぎ、大目に見積もっても、放射線がでているのはその後1週間程度で、通常の生活では、大した被曝はあり得ないという。
さらに、上の2の説明のように、ヨウ素131や他の放射性物質は、原発内部の核分裂によって作られる。現在浮遊しているヨウ素131は、事故により、外に漏れ、核分裂が止まったもので、その上、半減期(約8日)を超えているため、たとえ吸い込んだとしても、放射線障害は起こり得ないと断言する。
それでも不安な場合の対処法
チリは、衣服を通りぬけないため、チリについている放射性物質が皮膚につくことは考えにくい。また、衣服は洗濯すれば問題ない。
自分の生活地域で、体に影響がある値の放射性物質が測定された場合、いちばんよいのは、外出を避けることだが、できる限り乗り物で移動したり、帽子をかぶる、手袋をはめる、湿らせたマスクをする、などをすれば問題ない。そして、外出から戻ったら、髪を含め、全身を、石鹸とシャワーで洗い流す。
《オススメの関連記事》東日本大地震/震災 厚生省発表の放射能濃度(食品・水道水・雨・海水)と、風呂ほか一覧「避難所で子供が餓死」「死体がゴロゴロ」 辰巳琢郎発、今起こっている地獄「安定ヨウ素剤は万能薬でなく副作用も」 3自治体で配布が、情報混乱『安定ヨウ素剤を受け取ってくる』 配布開始で福島三春町民の心のさけび 「食料は品切れ 首都圏で買い占め続出 (レディ・ガガ チャリティーブレス情報)」「東日本巨大地震・震災/災害時の代用対策アイデア 冷蔵庫・保冷剤・トイレ」「東日本巨大地震・震災/災害時の代用対策アイデア 脱水・寒さ・生理用品etc」ドクター苫米地の理論だとこうなる
ダイエットで変わる ”人間は家畜(かちく)以下の食べ物不足” ?! 編集部 松田鞠
ドクター苫米地ブログ池田信夫blog part 2