放射性セシウムを抽出し吸着させる新技術
茨城県つくば市の、産業技術総合研究所(川本徹・グリーンテクノロジー研究グループ長)が、放射性セシウムを、土壌からほぼ全量回収できる方法を開発したと発表した。
Image: katerha使用するのは、低濃度の硝酸水溶液で、汚染された土壌に混ぜることで抽出されたセシウムを、微粒子状の顔料に吸着させるという。
また、この技術を利用すると、原発事故による放射性廃棄物を、150分の1に減らすことが可能だとも。
研究グループは、実験として、放射性でないセシウムを土壌から除去してみたところ、温度が200度で加熱した化学溶液では100%を、100度でも60%のセシウムを、抽出することができたそうだ。
さらに、人工顔料のプルシアンブルーを、吸着剤として10ナノメートルに加工し装置に入れ、化学溶液の循環を、2回行ったところ、100%吸着できたという。化学溶液は、繰り返しの利用が可能とのこと。
今後は企業の協力を得て実験へ
同社川本研究グループ長は、今回の開発について、毎日新聞に次のように述べた。
「土壌を傷めなくてすみ、抽出したセシウムを顔料で吸着できる。コストも安い。企業の協力を得て実証実験を目指したい」
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毎日jp産業技術総合研究所