花粉症とたたかう
花粉症に苦しむ読者には、大変つらい時期がやってきた。今年は特に、例年の10倍、花粉が飛ぶ、などどもいわれている。
今回は、花粉症対策として、最近、花粉症に効果が期待できるといわれ、予防効果のある食べ物をあげてみる。また、比較的新しく、かつ少しずつ知られてきた治療法もあわせ、3回にわけて紹介しよう。
Image: williambrawley体の中から健康になる食品
◆ヨーグルト(「特定保険食品」表示ありのもの)
腸内の善玉菌を増やし、便秘にも効果がある、特別なヨーグルトに含まれている乳酸菌の抗アレルギー作用で、体質改善され花粉症がやわらぐという研究結果が、ここ最近わかってきた。
特別なヨーグルトとは、消費者庁が認可した特定保健用食品(通称:トクホ)のことで、保健の効果があると認められたヨーグルトのことだ。
このヨーグルトに含まれる乳酸菌は、アレルギー体質を改善するということで、「プロバイオティクス」といわれ、腸まで届き、抗アレルギー効果を発揮するといわれている。
「【日本人の知らない】プロバイオティクス、乳酸菌の健康パワー」でも、より詳細な情報を是非、お役に立ててほしい。
◆甜茶 (てんちゃ)
中国原産の甘いお茶。甘みは天然成分で、その昔、解熱薬、糖尿症、高血圧の生薬、食欲増進、去痰、咳止め、解熱 などに用いられていたそう。タンニンの一種である甜茶ポリフェノール、カリウム、マグネシウム、各種アミノ酸、カルシウム、亜鉛、鉄等のミネラルが含まれている。
最近は、お茶や飴、また他にも、さまざまな加工品として販売されている商品が多数ある。食べやすいものを探してみると、何か合うものがみつかるだろう。
◆納豆
発酵食品の多くが、腸まで届く乳酸菌を含み、納豆も同様の効果が期待できる。これに関しても
「【日本人の知らない】納豆の健康パワー」を、いちどよく読んでいただきたい。
花粉症の原因と治療法
花粉症は、鼻の奥、下鼻甲介(かびこうかい)という粘膜部分に、アレルゲン(アレルギーを引き起こすもの)である花粉などが付着・反応し、炎症が起こる。このため、代表的な治療として、薬や手術などが選択できる。
<前編> では、「免疫療法」とも呼ばれる治療法について紹介する。また、よい機会なので、次回 <後編> で、いくつかの、外科的手術についても、掲載する予定だ。
【
舌下減感作療法(ぜっかげんかんさりょうほう)または
舌下免疫療法】
経口用に調合したアレルゲン(スギなど)のエキスを、体内に少しずつ取り込む(口内で、舌下に吸収させる)ことで、アレルギーに対する免疫力を高める。早い話が「敵を飲み込む」ということだ。
この方法は、WHO(世界保健機関)が勧める方法で、東京福祉保険局の、ある時期の調査でも安全と報告されている在宅治療が可能な方法だが、保険適応外のため、費用の自己負担が大きい。
舌下の代わりに、皮下注射で行う「減感作療法」とか「皮下免疫療法」と呼ばれるものもあるが、「アナフィラキシー」といって、アレルギーに対するショック症状を起こすリスクがあるため、注意が必要。
・受診科: 医療機関による。美容外科などでも施術を行っているところがあるため、科にかかわらず、問い合わせを。
・保険: 保険適用外(自費診療)
・通院期間: 1-4週間に1度程度
・回数: 自宅にて(舌下)、毎日行う場合が多く、数年続けることも(舌下、皮下とも)
・費用: あるクリニックの例では、40,000円-50,000円/月程度で、3ヶ月以降も継続する場合は、ひと月分の料金が少なくなる、など、受診機関によって料金には幅があるが、おおむね費用はかさむ場合が多いもよう(数万円単位/月程度)
このため、所得税の医療費控除を、確定申告で受けることも考慮に入れるとよいかもしれないとのアドバイスも。
・効果: 8割程度に効果あり
*花粉の量、体質などの個人差もあるため、紹介した治療法の、すべてで、誰にでも同じ効果があるということではない。
*記載があるもの以外は、アレルギー体質自体が治るわけではない。
*掲載の「費用」は、施術のみ。通常、これ以外に診察料と、初診の場合、初診料が必要になる。
*施術内容や期間等は、医療機関等により異なります。施術を受けるかどうかを含め、医療機関にご確認の上、自己責任でお願いします。-中編に続く- 編集部 松田鞠
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