スギに付着する放射性物質量は未知
林野庁は、福島県内のスギ花粉に含まれる放射性物質の調査を、11月にも開始する意向だという。
Image: BONGURI福島県のスギ花粉に、多くの放射性物質が含まれる場合、年末に発表される、環境省による花粉飛散予定に盛り込む予定だそう。
調査では、県の警戒区域内のスギの雄花に含まれる放射性セシウム量を調べるとのことで、林野庁は
「初の調査なので、どのぐらい含まれるかは正直、わからない。きっちり計測し、客観的な数字を示したい」
と話している。
数百メートル飛ぶも、人体への影響は微量
「風速や風向などにもよるが、数十キロから数百キロ飛ぶと言われている。ヘリコプター調査で上空5000メートルでも採取できた。福島の花粉が首都圏に届く可能性は十分ある」
と解説するのは、東邦大学で植物分類学の佐橋紀男訪問教授だ。
福島県内のスギ林は、同県の森林面積の約2割(18万4500ヘクタール)を占めるが、林野庁では、調査対象のスギ林の範囲は決定していないもよう。
放射性物質を含むスギ花粉の、人体への影響について、放射線医学総合研究所放射線防護研究センターで放射生態学の専門家・吉田聡運営企画ユニット長は
「汚染地域の花粉に放射性セシウムが含まれていても人が吸引する量はごくわずかなので、被曝(ひばく)線量の観点からは無視して構わない程度と考えられる」
と述べる。
また、環境科学技術研究所の大桃洋一郎特別顧問も
「花粉症の人は、普段と同じ対策をしていれば、それほど心配する必要はない」
と指摘している。
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林野庁福島県