原子力災害対策特別措置法での出荷停止は初
以前、神奈川や静岡の「荒茶」から、食品衛生法の暫定規制値(基準値)の、1キロあたり500ベクレルを超える放射性セシウムが検出された
一連のニュースを、何度かに分けてお届けした続報だ。
<一部の荒茶が、抹茶アイスなどにも使用されているという>
Image: tantek加工過程のどの段階で規制するかや、その規制値の基準をめぐっては、生産者や農林水産省、厚生労働省とで、意見がわかれていた。
政府は2日、放射性セシウムが暫定規制値を超える、茨城県全域と、△神奈川県=南足柄市、小田原市、湯河原町、真鶴町、愛川町、清川村 △千葉県=野田市、成田市、富里市、八街市、山武市、大網白里町 △栃木県=鹿沼市、大田原市で生産された一部の生茶葉について、出荷停止を要請した。
これは、政府が、荒茶についても、生茶葉同様、規制値を超えたものは出荷停止にすることに決めたものによる。規制値を上回ったものについては、出荷自粛されており、市場には流通していないという。
原子力災害対策特別措置法に基づく措置による、茶の出荷停止は初めて。
静岡県は一転、検査実施へ
川勝静岡県知事は、乾燥後の荒茶は、放射性物質が濃縮され、生茶葉で問題がなくても、基準値を超える恐れがあり、
「政府への不信も高まりかねない」
との理由から、検査を拒否してきた。しかし、さきの出荷停止措置の発表を受け3日、一転して、これから収穫が始まる二番茶から、荒茶の検査を行うと発表した。
検査は、工場単位で実施する予定で、暫定基準値を上回った場合も、市町村単位ではなく工場単位でするよう、厚労省に要請するとのこと。
かたや、神奈川県は、科学的・合理的な根拠なく、荒茶に、生茶と同じ基準を求めるのは’規制強化’に等しいため、検査は実施しないとの方針だ。
基準値超え流通あれば回収へ
今回、政府が、荒茶に加え製茶も規制の対象にした理由は、一部荒茶が抹茶アイスなどの食品に加工されているためとのこと。
ほとんどの自治体で、荒茶の検査は行われていないため、厚生労働省は、各自治体に、再度、荒茶の検査を要請し、すでに規制値を超えて出荷された可能性のあるものについては、判明次第、回収などを実施するとしている。
《オススメの関連記事》「なぜお茶だけから?」 南足柄市で基準こえるセシウムセシウム5倍の’荒茶’『検査はカンベン』 静岡・神奈川「生茶葉500ベクレル超え」で出荷制限へ 荒茶問題 編集部 松田鞠
静岡県公式ホームページ毎日.jp