歴史を繰り返すな
チェルノブイリ原発事故の、人や環境に及ぼす影響を調べている、ロシアの科学者アレクセイ・ヤブロコフ博士が、福島第一原発事故による放射能漏れについて、危惧している。
Image: raneko博士は、今回の原発事故の状況は、チェルノブイリとは、根本的に違うと理解しているという。しかし、原発から200キロの距離に人口が密集した首都圏があることや、3号機のプルサーマル発電(プルトニウム/ウラン混合酸化物 MOX)を使った燃料)であることに危機感を持っているのだ。
万が一、大量のプルトニウムが放出された場合の被害は深刻で、人が住めなくなる土地を生むことになると懸念している。そうなると、最終的な死者の数は、国際原子力機関(IAEA)の推定の最大9千人どころか、100万人近くになるというのだ。
また、放射能の、人体への影響は、7世代にも及ぶとも。実例として、チェルノブイリの影響で被曝した、スウェーデンのヘラジカから、20年前と同じ放射性物質のレベルを去年確認したことをあげている。
チェルノブイリの教訓を活かす
博士の経験からの、国に対するメッセージは、以下の通り。
日本政府は、国民に対し放射能被害を過小評価している。「健康に直ちに影響はない」という言い方はおかしい。直ちにではないが、影響はあるということだからだ。
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西日本新聞