めずらしくキッパリと言い切ったカリフォルニア娘
19日、ラスベガスで「2011年ミスUSAコンテスト」が開催され、カリフォルニア出身・21歳のアリッサ・カンパネラさんが栄冠に輝いた。
審査では ”学校で、進化論を教える必要があるか” との質問があり、51人のミスコンテストのエントリー者のうち、自称’科学オタク’の彼女だけが、進化論を信じていると明言したそう。
準優勝の、テネシー州出身・アシュリー・エリザベス・ダーラムは、審査員からの同じ質問に、進化論否定者社だが、学校では教えるべきだと答えた。
ダーウィン生誕後202年、現在でも、キリスト教の宗教的背景を持ち、科学と宗教の対立が、今もなお続くアメリカでは、半数近くが、進化論を否定するか、天地創造説(*)を信用している。
今回のミスコンテストでの質問と、優勝者のカンパネラさんの受け答えについては、ネット上で、大変熱い論議が交わされている。
大会では、アラバマとアーカンソー、ノースカロライナとテネシー州からの4人のミスたちが、進化論を信じていないと主張した。また、学校で教えるべきではないと答えたのは、アラバマとインディアナ、ケンタッキー州の3人だ。
エントリー者のうち、大多数の23人は、’天地創造説は当然教えるのだから’といったニュアンスを含みつつ、進化論も一応教えればよいのではないか、との意見だった。
アメリカにも、本音と建前
今回の、エントリー者たちの、進化論に対する認識と、審査での質問 ”進化論は学校で教えるべきか” への回答は以下の通り。
・信じている…1(カリフォルニア)
・信じていない…4(アラバマ、アラスカ、ノースカロライナ、テネシー)
・教えるべきではない…3(アラバマ、イリノイ、ケンタッキー)
・きちんと教えるべき(心からそう考える)…8(コネチカット、ワシントンDC、フロリダ、イリノイ、マサチューセッツ、ニューメキシコ、オハイオ、バーモント)
・教えるべき(あやふや)…9(デラウェア、アイオワ、ルイジアナ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ユタ、ウィスコンシン)
・天地創造説とあわせて教えるべき…23(アラスカ、アリゾナ、コロラド、ジョージア、ハワイ、メーン、メリーランド、ミネソタ、モンタナ、ネブラスカ、ネバダ、ニューハンプシャー、ニュージャージー、ニューヨーク、ノースカロライナ、ノースダコタ、オクラホマ、オレゴン、ペンシルベニア、ロードアイランド、ウェストバージニア、ワイオミング)
・明確な回答せず…1(アーカンソー)
ブッシュ前大統領(パパブッシュ)や、大多数のアメリカ人のように、コンテストのエントリー者たちも、科学と哲学の違いを理解していないようなのだが、これがアメリカの現実だ。
カンパネラさんは、9月の「ミス・ユニバース世界大会」(ブラジル・サンパウロ)に参加する。
(*)
キリスト教原理主義の立場と結び付くもので、天地創造(聖書の創世記)が現実にその通りに行われたとするもの。【Alyssa Campanella (受賞シーン)】(クリックで動画スタート)
【Miss USA 2011 post-pageant press conference las vegas (受賞後の会見)】(クリックで動画スタート)
【Alyssa Campanella , Miss California USA 2011(アリッサ・カンパネラ、プロモーションビデオ)】
編集部 松田鞠
themoderatevoice.com(英文)ミスU.S.A.公式HP(英文)