健康状態はこころの状態
「若いと思えば若く、もう歳だと思えば、そう」
この、よく聞くフレーズが、現実的に起こる可能性を、アメリカのハーバード大学と、マサチューセッツ工科大学の研究結果が示唆している。
Image: River Beachある調査では、髪形を変えた47人の女性のうち、他人からも、自分がみても、明らかに若返ったと感じた人には、血圧の下降が確認されたとのこと。
また、4,421人の男性のうち、比較的若いうちに、毛髪がいちじるしく脱毛した場合、そうでなかった人に比べ、前立腺癌(がん)や心臓疾患にかかりやすいという結果もあるという。
他にも、同様の調査を行ったところ、頭髪の薄い男性が、心臓病などの成人疾患にかかる割合が高いのではないか、という結論が出されたとのことだ。
これらの調査結果を受け、ハーバード大学心理学部のエレン・レインジャー氏は次のように述べている。
「自分が、本来の年齢より老けていると思うことで、健康問題に影響が出るのでしょう」
この発言を後押しする調査結果として、’遅い年齢で子供を産んだ女性の方が、若くして産むより長生きする’というものがある。遅い年齢で産んでも、他の若い世代のお母さん達と一緒に過ごすことで、自分の気持ちも若くいられるためだそうだ。
さらに、似たような研究で、結婚相手が若いと、相手が年上の場合より、長生きをする、というものもあるという。
若さは柔軟なこころから
これら複数の調査結果からわかるのは、’体の状態は、こころに同調する’ということ。このメカニズムはまだ不明だが、年齢に対する、自分の感じ方や考え方により、意識的・無意識的にかかわらず、結果も変わってくるのだという。
*ハーバード大学心理学部のエレン・レインジャー氏らは、こころが体に及ぼす影響について、
Perspectives on Psychological Science誌(英文)に、論文を発表している。
編集部 松田鞠
ワシントンポスト(英文)