副作用はよいことばかり?!
<前編>に続き、今回の<中編>では、新しいが、徐々に広まりつつある、外科的な治療方法を紹介する。
Image: timsnell【星状神経節ブロック療法(SGB)】喉(のど)の下あたりにある、交感神経(体の活動をサポートする自律神経)のかたまり「神経節(体を頑張らせる神経)」に局所麻酔を注入する療法。
この神経を、一時的に麻痺させる(ブロック)ことで、体の頑張り過ぎを止め、血液循環(血流)が促進され、免疫力(自然治癒力)が高まり、花粉症にも効果が出るとされる。
麻酔科医に注射をしてもらうのことになるため、評判のよい医師を見つけることが重要。また、麻酔が体に合わず、体調に支障をきたすリスクも考慮して。
・受診科: 麻酔科外来・ペインクリニック(痛みに関する処置)がある医療機関
・保険: 適用(回数により、途中から自費になる医療機関もあるよう)
・施術時間: 10分程度
・通院期間: 通常1週間前後
・通院回数: 個人差あり。数十回前後が多いよう。
・費用: 1,500円程度/回
・効果: 個人差あり、効果により必要な、施術回数が変わる。
もともとは、他のさまざまな病気治療を目的に行われていたが、副作用として、花粉症改善の効果があることが発見されたという。そのため、この治療を受けることで、以下ほかの症状が改善する場合もあるそうだ。
例)肩こり、自律神経失調症、うつ症状、血圧の正常化、頭痛やめまい、風邪が引きにくくなる、気管支喘息、アトピー、バセドウ病、、不眠症、、ED(勃起障害/インポテンス)、メニエール、耳鳴り、脱毛症・薄毛・抜け毛の改善、糖尿病、癌、多汗症、慢性副鼻腔炎、過敏性腸症候群ほか
効果には個人差があるが、花粉症以外の症状で悩んでいるようなら、ダメもとで受けてみると、同時に改善もあるかもしれない。
ちなみに、田中角栄元首相が、顔面麻痺の治療で、この施術を受けていた際、鼻の通りがよくなった、という逸話がある。
焼きを入れる…
ココで紹介する2種類の治療は、レーザー照射による手術なのだが、主に鼻づまりなど鼻の不快な症状を解消するものだ。
【レーザー】喉の奥にある、炎症を起こした粘膜部分下鼻甲介(かびこうかい)をレーザーで焼く。一時的に粘膜組織を破壊し、カサブタがはがれ落ちることで、アレルギーに反応しない、新しい粘膜が再生される。
麻酔薬つきのガーゼを、鼻の奥に15分程度分入れておくことと、焼く際の焦げのにおいが我慢できればだれでも受けられる。通常、後の出血や痛みや副作用は、ほとんどないとされる。また、臭いを感じる部位は別の場所のため、術後も、機能に影響はないという。
・受診科:耳鼻科
・保険:適用
・手術時間:10分程度
・通院期間:通常1週間程度
・通院回数:通常1回でも効果があるが、患者の状態・医者により、毎シーズン中1回/月の場合もあるよう
・費用:3割負担で6000円弱/回
・効果:5年以上再発なしもあれば、花粉症シーズン毎年要治療の人も。60%程度の人に効果あり。
【アルゴンプラズマ凝固法(APC)】アルゴンガスの中に、特殊な高周波電流を流すことで生じるプラズマにより、下鼻甲介(かびこうかい)を焼灼させるプラズマを2~3分間照射 一時的に粘膜組織を破壊し、カサブタがはがれ落ちることで、アレルギーに反応しない、新しい粘膜が再生される。
レーザーとの違い・鼻水が出ていても処置が可能
・レーザーに比べ、いちどに大きい面に照射するため、均一に照射でき、処置時間も短時間ですむ
・受診科:耳鼻科
・保険:適用
・手術時間:5-10分程度
・通院期間:通常1週間前後
・通院回数:通常1回
・費用:3割負担で5,000円-10,000円前後
・効果:通常1-2年持続するが、5年近く効果を実感する人もあり。
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Image: David Paul Ohmer*花粉の量、体質などの個人差もあるため、紹介した治療法の、すべてで、誰にでも同じ効果があるということではない。
*記載があるもの以外は、アレルギー体質自体が治るわけではない。
*掲載の「費用」は、施術のみ。通常、これ以外に診察料と、初診の場合、初診料が必要になる。
*レーザー手術の場合、鼻の両方の穴をいちどに手術すると、治療完了までの間苦しいので、片方づつ行うのがよい、という意見も
*部分麻酔では、手術が怖い場合、大きい病院で、全身麻酔可能か問い合わせという案も
*施術内容や期間等は、医療機関等により異なります。施術を受けるかどうかを含め、医療機関にご確認の上、自己責任でお願いします。
-後編に続く-編集部 松田鞠
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