歴史は繰り返す
「コンブチャ」といっても、セレブが楽しんでいるのは「kombucha」と呼ばれるものだ。マドンナやグウィネス・パルトロー、リンジー・ローハン、キルスティン・ダンスト、ハル・ベリーのほかにも、名前をあげればきりがないほど、ハリウッドスターの間で、今では当たり前の健康茶だという。
Image: the biella ↑とあるお宅の自家製「kombucha」このお茶は、きのこの形をした、イースト菌(酵母)とバクテリアでできているゲル状の発酵物を、砂糖を入れた紅茶に入れ、そのエキスを紅茶として飲むものだ。バリエーションとして、フルーツを入れたりもするらしい。もうお気づきの方もいると思うが、1960年代以降に、日本でブームになった「紅茶キノコ」のことだ。
「kombucha」はアメリカで、’代謝を上げる、コレステロール値が下がる、血流が上がり、体の毒を出すデトックス、シワ予防、免疫力の向上、アルコールやコーヒーの中毒症状緩和 etc’といった効果があるとの口コミで、数年前から徐々に知られてきた。
現在では、インターネットで、市販品を購入できるほどの定番商品となり、自家製こんぶ茶の作り方もネット上に氾濫している。
ただ、当初は、味や見た目からか、「こんな、痰(たん)みたいなもの、飲めない!」とまでいう一般庶民がいたようだが、ここ数年の健康ブームや、他の健康法の流行り方と同様、セレブが飲用しているということがきっかけとなって、市民権を得たようだ。
リスクと効果、あなたはどっち?
この健康茶について「celebritydiagnosis.com」サイトが、「pubmed.gov」が保存する、40ほどの研究論文について調べたところ、そのほとんどが、癌(がん)に対する治療効果について、ネズミや、人の細胞で検証したものだったという。
何例か、効果が見られたものもあったようだが、そのうちひとつの検証では、以下のように結論づけられていた。
本品の安全について、特に、その毒性については、深刻な健康問題や、死亡報告もあるため、ひとへの効果は、まだじゅうぶん確認されてはいない。
そして、最も危険なのは、当品を個人で作る際、清潔でない容器などを使うことである。
「kombucha」を含む、民間療法や漢方治療は、FDA(米国食品医薬品局)や米国農務省の評価を得られていないため、食品とも薬ともいえないとのこと。
CDC(米国疾病予防管理センター)によると、110ml程度なら、毎日飲んでも問題はないだろうが、もともと本人も気付かない、隠れた病気を持っていたり、極端に大量に飲んだ場合、その後の健康リスクがありえることも、理解が必要とのことだ。
Image: ~Twon~ ↑ゲル状の発酵物・これを紅茶につけておき、飲む…*なぜ名前が「kombucha」なのか (参考:ウィキペディア(英文))
ある作家は、長寿のお茶が、中国から伝わったと考えたそう。
また、19世紀に、允恭天皇のお世話をした韓国人の名前がKombuだという説や、彼の名前は「金武」(韓国語読みでキム、日本語読みでコン)だという古事記の記録など、いくつかの説が組み合わさったのかもしれない。
ということで、日本の「昆布茶」とは関係ないそうだ。 編集部 松田鞠
Synergy drinks社の市販kombuchaはこちら(英文)celebritydiagnosis.com(英文)chow.com(英文)