脂肪の蓄積を抑制する糖質・トレハロース
トレハロース。上品な甘みを持つことから近年食品などに利用されるようになった成分で、宇宙人親子が登場するテレビコマーシャルで一躍有名になったことは皆さんもご存じのことだろう。
そのコマーシャルの発信源であり、デンプンからの大量生産技術を生み出した株式会社林原生物化学研究所は2010年9月29日、トレハロースに「
脂肪細胞の肥大化を抑制する効果」があることを確認した。
近年の健康志向により、カロリーや糖質、脂質を「ゼロ・オフ」にした食品が出回るようになっている。しかし糖質は本来、
脳に必要なブドウ糖を生成するために必要不可欠なものであり、これが不足すれば脳機能の低下や脳の栄養不足による過食を招くことになる。そこで林原生物化学研究所は、体内でブドウ糖へと変化するトレハロースに着目し、これまでの研究で
インスリンの分泌が緩やかであることを発見した。
今回の実験では、高脂肪の食事と水やトレハロース、グルコースなどを摂取させた計7グループのマウスの健康状態を調査した。
8週間飼育したのち、各マウスの腸間膜脂肪細胞の直径と面積を調べたところ、トレハロースを与えたものは他の高脂肪食を与えたマウスに比べて
細胞の直径・面積ともに肥大が抑制された。画像からも通常食+水のマウス(Normal群)により近い形で保たれているのがわかる。
これまで糖質といえば「脂肪に変わるもの」、「控えるべきもの」として認知されてきたが、同じ糖に分類されるトレハロースが脂肪の蓄積を抑制することがより多くの人に認知され、利用されるようになれば、ダイエットやメタボ対策への考え方もこれまでとは違ったものになるだろう。
株式会社林原生物化学研究所(林原グループ)