新生血管に注目し開発した方法
がんを患(わずら)うと、病気そのものもだが、辛い抗癌剤治療による副作用で、心身とも弱ってしまう場合が多いのではないだろうか。
Image: Pazit Polak22日、浜松医科大学では、米・サンフォードバーナム医学研究所との共同研究により、副作用を抑えることが可能な抗癌剤を開発したそうだ。動物実験ですでに効果を確認できたため、今後、臨床試験と実用化を進めるという。
通常、1~2ミリ以上に成長したがんは、新しい血管を作り栄養を取り込むとされる。杉原一広准教授ら研究グループでは、新しく作られた血管に、ペプチドの一種(アミノ酸の結合)が集まりやすいことを発見したそうで、この血管のみに薬を運ぶような抗癌剤を、ペプチドと組み合わせることにより開発した。
副作用はなく、薬剤も4分の1でがんが消えた
実験では、がん細胞を有するマウスに、この抗癌剤を、従来のおよそ40分の1の量を投与したところ、副作用は全くでず、19日目にがん細胞がほぼ消滅したという。
今回の研究結果は、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表される。
編集部 松田鞠
浜松医科大学米・サンフォードバーナム医学研究所(英文)