栄養は文句なし
5月25日の「ホンマでっか!?TV」でも紹介されていたニュースをお届しよう。
Image: gsz中国の研究で、クローン技術を使用して、人間の母乳の質に大変近い牛乳をだす牛が300頭、誕生したそうだ。
母乳には、赤ん坊の、免役強化や感染予防に対抗する成分が含まれているが、この研究で、遺伝子操作の牛を誕生させた科学者らによれば、この牛乳は、タンパク質、炭水化物、脂質、ミネラル、ビタミンなどの含有からみても、質の低い粉ミルクなどよりは、よほど質のよいものだそう。
この研究は、バイオ技術の企業支援によるもので、将来的には、スーパーなどで、この牛の乳製品の販売を期待している。
しかし、遺伝子操作による今回の開発には、動物保護団体などからの反対の声があがっており、牛乳の安全性や、牛の健康への影響についても懸念されている。イギリスやヨーロッパでは、さまざまな安全基準を通った遺伝子操作の商品が販売されているが、常に議論の的になっている。
これについても、科学者は、遺伝子操作による食品が、食の安全を脅かすことはなく、アメリカでは、何十年も以前から、遺伝子操作食品を摂取していると、安全性を強調している。一方で、クローン技術を使用する遺伝子操作が、動物の発育や生死に、理由は不明ながら、影響を与えることは認めている。
それでも、’安全なので、商品化を’
今回の研究リーダーで、中国・アグロバイオテクノロジーでステイトキー研究所の責任者でもある、北京農業大学のニン・リ教授によれば、完成した牛乳は、通常の牛乳と同様安全だと強調している。
リ教授は、サンデー・テレグラフにこう解説する。
「この牛乳は、3年以内に商用化し、商品として食卓に届くには、10年か、もうしばらくを予定しています。遺伝子操作された牛は、3世代続くよう改良されていますが、商用化を考えると、さらに多くの牛を作る必要があります。」
近年中国は、ヨーロッパより積極的に、遺伝子組み換え食品の研究に力を入れている。
編集部 松田鞠
telegraph.co.uk(英文)