ダイエットブームは幼稚園にまで!?
友人の年長組の女の子が、太っていることをからかわれて夕食を食べなくなったという話を聞いて非常に驚いた。最近は小学生でも当たり前にダイエットをする時代なのだそうだ。
思春期の子ども達は「痩せて雑誌のモデルみたいになりたい」と自分の意志でより本格的なダイエットを開始する。痩せていく子どもの中には、ダイエットとは別に原因を持つ子どもがいるとのことで、注意が必要だそうだ。
子どもの心の問題が原因の摂食障害による痩せを「思春期痩せ症」と呼ぶ。圧倒的に女子に多く発症し、小学校高学年から中学生で急増し、有病率は増加の一途だ。
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よくできる子ほど危ない
「思春期痩せ症」の発症原因は、勉強や運動での挫折や人間関係などのストレスが心の中で解決できず、挫折感からの逃避で発症するという。
体が痩せることにより、体重計の数値の減少や他人から「痩せたね」と言われることで達成感を覚えるようになる。栄養不足の苦痛を和らげるために脳内物質が分泌され、一時的に気分が高揚して嫌なことでも取り組めるようになるという。自分がしていることは間違っていないと勘違いして間違ったダイエットにのめり込んでいくというメカニズムだ。
「思春期痩せ症」になりやすいのは、まじめだが柔軟性に欠け、物事をストレスとして感じやすい、完璧主義が故に挫折を経験しやすいなどの傾向がある子どもだという。
症状を発症すると、低栄養により低血糖や内臓障害・不整脈、感染症などの重症な合併症を引き起こす危険性がある。強迫性障害やうつ病などの精神科的疾患を引き起こす可能性もあるという。症状を放置すると、成長ホルモンに異常を来し低身長症や無月経、骨粗鬆症など大人の身体になる上で問題が発症する。
単純に動機が太っているから痩せたいという願望であった場合でも、数字が落ちていくことだけにとらわれて快感を覚え出すと心も蝕まれていく。重症になる前に周りの大人が気付いて正しい食生活へ導いてあげる必要がある。

ベネッセ教育情報サイト ダイエットの落とし穴……「思春期やせ症」 基礎知識編
http://benesse.jp/blog/20130111/p1.html