もっと生きたかった
先日5日に死亡した、アップル元CEOのスティーブ・ジョブズが、当初、膵臓癌(すいぞうがん)の手術を拒否していたというニュースが報じられた。
Image: Cain and Todd Bensonジョブズの自伝伝記「スティーブ・ジョブズ」の執筆記者ウォルター・アイザックソン氏が
「60ミニッツ」(CBSテレビ放送)で明かしたところによると、ジョブズは、体を切り開くことは、自らを冒涜されるようで、手術に納得できず、マクロビオティックや、野菜・果物などの食餌療法、鍼灸治療などの代替治療を試みていたせいで遅れてしまったことを後悔していたようだと語っている。
このため、アイザックソン氏や、ジョブズの妻らは、9ヶ月間かけて、手術を受けるよう説得したそう。あれだけ頭のよいジョブズが、なぜ、そんな馬鹿げているとも思えるような選択をしてしまったのかとのインタビュアーの質問に、アイザックソンは次のように答えている。
「彼は、何かを無視したり、存在することを要求しないでいると、呪術思考のようなものを持てると考えていたのではないかと思います。これについては、私たちはずいぶん話をしていました。彼は、かなり後悔していたんです。もっと早く手術を受けるべきだと考えていたようです。」
ジョブズはその後手術を受け、従業員には、がんは治癒したと伝えたが、知られないよう治療を続けていたという。
人生には冨や財産より大切なものがある
アイザックソン氏はこのインタビュー中、今まであまり知られなかった、ジョブズに関する逸話も明かしている。
ジョブズが、実の父親を、そうと知る前に、すでに会ったことがある、という話や、当初彼が考えていた’神の存在の可能性は半々’というものが、がんの診断後には、可能性は半分以上だと思う、と話していたことなどだ。
また、ジョブズの意外な一面として、極端に不要な浪費を嫌うということがあるそうだ。録音インタビュー中のジョブズが、いかに、アップルの株式で裕福に、しかし奇妙に変貌してゆくスタッフたちを見てきたかを、アイザックソン氏に語ったこともあったそう。しかし、ジョブズは、一度として、冨や財産により変わることはなかったと話している。
このインタビューは、CBS「60ミニッツ」で23日(日)p.m.7時(アメリカ時間)に放送予定。
【アップル CEO スティーブ・ジョブス 演説 スピーチ ノーカット版 】
「もし今日が、人生で最期の日だとしたら、今日しようとしていたことをやっただろうか…ハングリーになれ、バカになれ」byジョブズ
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60 MINUTES(英文)