副作用としての痩身効果に注目
多くの薬物には、治療を目的とする薬効の他に、副作用を持つケースが多い。多くの副作用は体にとってあまり有り難くないものもあるのだが、中には痩身効果が確認されたものもある。
日本では気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療薬として、米国ではクリーム剤にして口内炎の治療に使用されるアンレキサノクスを肥満のマウスに投与したところ、痩身効果が確認されたとのことだ。米ミシガンの研究チームが医学誌「Nature Medicine」に発表した。
その結果によると肥満のマウスにアンレキサノクスを投与したところ、4週間以内にあきらかに痩せていったとのことだ。肝臓に蓄積した脂肪も減少して脂肪肝が解消し、またインスリン感受性が改善されて血糖値も正常になったそうだ。
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飲めば燃えやすい体に!?
アンレキサノクスを投与したマウスは体温の上昇が確認され、食欲は抑えずとも代謝が上がったため痩せていったと考えられるそうだ。
だたし、問題は薬を飲み続けないと薬効が得られないということだ。要するに、薬を飲むのを止めてしまえば、また太り出すという点が問題だ。あくまでマウスでの実験結果で、人間に置き換えた場合に内臓などに何らかの影響が出ることも考えられる。
実際に人間が飲むに当たって必要な臨床試験を経て世に出るには数年かかる。試験の間に思わぬ副作用が確認されてお蔵入りする可能性もある。それでも、マウスでの結果には目を見張るものがある。飲めば代謝が上がって脂肪肝や血糖値が改善するなら、正に夢の薬だ。
Nature Medicine An inhibitor of the protein kinases TBK1 and IKK-ε improves obesity-related metabolic dysfunctions in mice
http://www.nature.com/nm/journal/